第331話 メイア⑧

 〜次の日〜


 私は昨日と同じ場所に向かってメイアと会いました。


「ケロナお姉ちゃん! 来てくれたんだね!」


「ええ、約束を破るほどの性悪女じゃないよ私は...」


 えへへと無邪気な笑みを浮かべながら私の手を取ってくる姿は何処と無くサラと重なって見える...。


「なんだかサラを見てるみたい...」


 勿論メイアとサラは全くの別人なのだが、何となくそう思ってしまう。


「サラって誰?」


 彼女の不機嫌な表情に私は答えました。


「サラっていうのは私の妹だよ」


「妹...?」


 と言う単語に彼女は過剰に反応しているように見えました。


「ふ〜ん...ケロナお姉ちゃんにはサラっていう妹がいるのか〜...」


 なんだか面白くなさそうな表情を浮かべながら私の方を見てくる彼女。


「ところでさぁ...、そのサラって子とメイアならどっちが大事?」


 その問いに私は即返事で返しました。


「メイアには悪いけど、サラだよ」


 嘘偽りのない真実の言葉を私が彼女に投げかけると...。


「...」


 メイアが凄い顔で私の方を見つめてきました。


「ねぇ...ケロナお姉ちゃん」


「なに?」


「私の家に来ない? そこでならきっと楽しく話せると思うんだ...」


「メイアの家? この町にあるの?」


「うん...」


 そう答える彼女は私の手をとりました。


「一緒に行こう...、ケロナお姉ちゃん...」

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