第332話 メイア⑨
私がメイアに連れられて向かったのは町の中にある奇妙な形の家でした。
「あれがメイアの家なの?」
「...そうだよ」
近づけば近づくほどその家の形はまるで...。
「玩具箱みたいだな...」
〜メイアの家〜
中に入ってみると普通に家のように見えるだけの家具は揃っていましたが、何処と無く不穏な気配を感じとりました。
ただメイアの家に上がっているだけの筈なのに何故でしょうか?。
そんな私を尻目に彼女は2階への階段を登って行きます。
「こっちが私の部屋なんだ...」
そう言いながらメイアの部屋に入ってみると、そこはごく普通の女子部屋と言う感じでした。
彼女の着ている服装がゴスロリなので、もっとそう言う趣味全開の部屋なのかと思いきや、普通の女子部屋で驚く私。
(へぇ...意外と普通の部屋に住んでいるんだな...)
そう思いながら部屋に足を踏み入れると、突然玩具の兵隊が並んで私の元にソファを持ってきてくれました。
「えっ? 何この子達....」
私がそう呟いていると、メイアが答えました。
「その子達は私の玩具達だから安心して、ケロナお姉ちゃんには危害を加えないから...」
「そ...そう...」
私は恐る恐る玩具の兵隊の武装を見て見ると...。
(背中に背負ってるのって本物のナイフじゃないよね...?)
そう思いたいのは山々ですが、見た感じが本物の輝きだったので、おそらく玩具の兵隊の武装は本物なのでしょう。
私がソファに座ると、今度はメイドの人形が現れて私のティーカップに紅茶を入れてくれます。
「ありがとう...」
思わずお礼を呟くとメイドの人形はウィンクをしながらメイアの部屋を後にしました。
しばらく沈黙が続きましたが、メイアが私にこんな事を聞いてきたので答えます。
「ねぇ、ケロナお姉ちゃん」
「なに?」
「私の玩具達はお姉ちゃんからみるとどのくらいできる子だと思う?」
「そうねぇ...」
私はメイアの出した玩具達をしばらく見つめてから答えを出すのでした。
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