第440話 優勝賞品の刀
私の手に触れた物は優勝賞品の刀でした。
先程の風圧で鞘から外れて刀だけが私の元に飛んできたようです。
でも...、普通こんなドンピシャな場所に刀だけが私の手元に飛んでくる物でしょうか?
そう思いながらも縋るような思いで私はその刀を手にしました。
すると...。
(あれっ...?)
先ほどまで重たかった体が楽になり立ち上がれる。
しかも...。
(この刀を媒介にして私の【蒼極】の力が増幅している!?)
先ほどまで尽き掛けていた【蒼極】の力が再び甦る!!
「行ける...!」
私は血塗れになりながらも立ち上がり刀を【ザナイン伯爵】に向けました。
しかし、傍目から見れば満身創痍である事に変わりありません。
むしろよく立ち上がれた物だとでも言うような目で私を見てくるメイア。
「その刀を手にした途端に目が生き返ったね...、でもお父様を倒せるかしら?」
彼女は指を私に向けて彼を仕向けてくる!
私はふうっと息を吐きながら刀に全闘気を集中させる。
【蒼刀】に力が溜まったのを感じとると、私は一気に振り切った!!
「くらえ!」
これはただの斬撃に過ぎない。
ただ...その斬撃はあまりにも速く鋭かった。
私の放った斬撃は凄まじい速度で【ザナイン伯爵】の体を切り裂き尚も前進する!!
「なっ!?」
驚くメイアの体に着弾する前に弾かれてしまったが、私とメイアの間には私の放った斬撃の跡が残っている。
(ただ魔力を込めて放っただけなのになんて威力...!)
私はもう一度刀を振りかぶり今度はメイアに向けて斬りかかる!
「ぐっ!」
明らかに動揺している彼女と私の最後の戦いが始まるのでした。
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