第441話 【蒼刀】

 私は蒼く光る刀を手に戦う!


(凄い! 今日初めて持った筈の刀なのに!!)


【蒼刀】はまるで私の体の一部になったかのように全く邪魔になっていない!


 それどころか凄く使いやすくて良い刀だと思えました。


 刀を振るう度にどんどん精度が増していき、確実に扱いやすくなっていく!!


 その事に気がついているであろうメイアは必死の表情で魔力障壁を展開して私の攻撃を弾いているが砕けるのは時間の問題だろう。


 なぜなら、【蒼刀】を手にした今の私は山でさえ切り裂ける自信がある攻撃を何度も続けているからである。


「ぐっ!? くっ!?」


 死にかけの私がなんでここまでの力を発せられるのか分からないと言った表情で私の事を見てくるメイア。


(分からないか? 私の力の根源が...)


 正直に言おう、私にも分からない。


 なぜこれだけの傷を負ってもまだ戦えているのか全くわからないのだ。


 常人であれば当の昔に死んでてもおかしくないだけのダメージを私は既に負ってる。


 だと言うのに格上の相手である筈のメイアを相手にして全く引けを取っていない所か押している始末だ。


 一体自分の何処にそんな底力があるのか全く分からないが、今はこのチャンスを物にすることしか考えないでいよう。


「うぉぉぉぉぉ!!!」


 刀を翻しながら私はメイアの魔法を全て叩き落とす!!


「ッ!! これならどう!? 【死の槍デス・スピアー】!!」


 今まで1番大きな【死の槍】が私に向かって投擲されるが全く怖くない。


(何を落ち着いているんだ? 私は...)


 目の前を舞う槍の一撃はまごう事なき至高の一投だと言うのに...。


 なんだか自分がおかしくなったのではないか? と錯覚してしまう程に落ち着いている。


 私は一呼吸を置いた後に【蒼刀】を思いっきり振りかぶるのだった!

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