第698話 【大帝城】③

「ラグネル」


 ライファー様が後で現れた男を見てそう呟きました。


「ライファー、もうお遊びはいいのか?」


「ええ、新しい私の【眷属】も手に入ったし、この地にはもう用はないわ、後は【大帝】様がお目覚めになるのを待ってから今後の方針を決めましょう、具体的にはこの子の中にいる【次元龍】に対してのね」


 ふふっと笑う彼女の笑みに私はゾクリと背筋が凍ります。


(なにっ!? 今の感じ...!)


 私はライファー様の【眷属】のはずなのに、その笑みには悪意のような物を感じ取りました。


「そんなに怖がらなくて大丈夫よ、ケロナちゃん」


 彼女はそう言いながら私の頭を優しく撫でてきます。


 彼女の優しさに深く【魅了】されてしまう私。


「ライファー様...♡」


「ふふっ、いい顔よケロナちゃん」


 2人の世界を作っていると、ラグネルが横槍を入れてきます。


「ゴホン、2人の世界に浸るのもいいが、そっちの青髪の少女は【次元龍】の依代なのだろう? そんな危険物を【眷属】にするとは...、ライファー、貴様は一体何を考えている?」


 その質問に対してライファー様が出した答えは...。

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