第699話 【大帝城】④
「ただの遊び...、と言うわけではないわよ」
少々真剣味を帯びたその表情はとても凛々しくて美しい...♡
さすが私がお仕えする【帝王】様です♡
その言葉にラグネルと言う執事はギロリと睨んできました。
「貴様...、まさか【大帝】様を裏切ろうと言うわけでではなかろうな?」
ラグネルの魔力がどんどん膨れ上がっていくのが分かる。
ただの喧嘩にしては明らかにまずい量の魔力が溢れだした時点で彼女は笑う。
「ないないない、【帝王】と言う名前を冠する者達の中に【大帝】様を裏切ろうとする奴なんて現れりゃしないよ」
「その言葉...、本当だろうな?」
「ええ、信じてくれて良いわ、もしも信じられないというのであれば今すぐここで私を殺しても良いわよ、【聖帝】の貴方ならば【風帝】の私なんて相手にならないでしょうしね」
しばしの沈黙の後に彼は魔力を抑える。
「まあ良い、【次元龍】ごときが【大帝】様に敵うはずもないしな」
「ええ、もちろんよ、この子を【眷属】として飼うのもその証明というわけ、これでこの世界に我ら【大帝軍】の行手を阻む者は誰もいなくなるしね」
「...そう言われればそいつを【眷属】にした意味は確かにあるな」
「でしょ? 奴の3つのパーツの内2つのパーツがこの子の中にあるの、何故か今は出てくる気配がないけれど、完全体ではないのならば【大帝】様を含む【六帝】に敵うはずないしね」
2人で何やら密談をしている中で重要なキーワードが出てきたので思わず呟く私。
「【六帝】?」
その言葉にライファー様が答えてくれるのでした。
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