「厨房？　あるにはあるが肝心の食料はないぞ？」

　不思議そうにそう聞いてくる彼に私はこう答えました。

「大丈夫、自前のがあるから」

　私はそれだけ言うと厨房に入りました。

　〜厨房〜

「おっ綺麗じゃん、調理器具もあるしこれならある程度の料理が作れそうね」

　私は一人でそう呟きながらアイテム袋から今まで倒しておいた獣肉や道中で手に入れた山菜を取り出してから調理器具を洗います。

「よしっ、準備完了」

　私は火打ち石で火を焚いて肉を焼き始めました。

　それと野菜や山菜に香辛料を振り、味付けを見ながら同時進行で山菜のサラダ作っていきます。

　綺麗な水でしっかりと洗った山菜のサラダはまるで宝石の様に輝いて見えました。

「うん！　我ながら上出来！　後はこの前買っておいた珍しいドレッシングでもかけてっと」

　白い液体をドピュドピュとかけて見て味を確かめる私。

「うん！　悪くないわねシーザーサラダ！　また見かけたら買って見てもいいかも」

　そう言っていると肉が焼き上がりました。

　ただの獣肉ですがこの際ですし贅沢は言わないでしょう。

　私が綺麗に皿に肉とサラダを盛り付けるとこの家の家族に料理を振るいました。

「はいっ、明日【海龍】って奴の所に連れて行って貰わないといけないからちゃんと食べて力をつけておいてよね」

　そう言いながら私がこの家の家族の前に料理を出すといきなり娘さんが両手で肉を掴んで勢いよくむしゃぶりつくのでした。

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