第499話 勇者キィアVSガライの巫女カトラ②
「さっきまでの威勢はどうしたのかしら?」
「く...!」
俺はあの後から防戦一方を強いられていました。
俺の魔法は結界により弾かれてしまうし、【ブレイブ・ソード】だって決定打にならないのであれば連発するのは得策とはいえません。
そうなれば回復呪文に余力を残して剣技による攻めを行う事を決めたのですが...。
「...それで本当に勇者なのですか? あなたの剣技は幼稚で稚拙...、そう...まるで赤子でも相手にしてるみたいですね」
彼女はそう言い切り俺の腹に蹴りを入れてきました。
「がっ!!」
剣技のみ戦いだと思っていた俺は思わず「蹴るのはズルイだろ!」などと叫んでしまう。
それを聞いた彼女はまるで俺の事を馬鹿にする様な瞳で見てきました。
「ズルイ? 何がです? これは真剣な殺し合いでありズルイなどと言う暇なんてありませんよ?」
「なっ...!」
彼女の言葉に俺は思わず顔を真っ赤にしてしまいました。
彼女の言う通りだと思ったからです。
(俺は何を勘違いしているんだ? 相手が女の子だからって怪我をさせないように加減をしてたんじゃカトラは倒せないだろう?)
俺はゆっくりと立ち上がり剣を彼女に向けてこう言いました。
「すまない、間違っていたのは俺の方だ、ここからは本気で相手をしよう」
「ようやくその気になってくれましたか、ですがあなたの剣技で私に勝てるとは思えませんけどね」
...。
真剣勝負特有の空気感が空間を支配する中、俺はとある作戦を結構するのでした。
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