第778話 ゴーレム娘とトカゲ娘VS【邪帝】③

 私は魔力を込めて土魔法を発動し【大書庫】内部に土の柱を打ち立てました!


「くらえっ!!」


 私の魔力に応じた土の柱たちが【邪帝】に向かって飛んでい行きます!


 しかし、私の魔法は簡単に砕かれてしまいました。


 その様子を見てある一つの仮説が私の頭をよぎる。


(もしかして【邪帝】は実態の無い攻撃が苦手なのか?)


 そう感じた私はミルシュに耳打ちをしました。


「私があいつの動きを1人で止める、ミルシュは奴の隙を見て風の弾丸を浴びせてやれ」


「えっ? でも2人で殴りかかった方が基本的には強いんじゃなかったの?」


 確かに、いつも師匠は私達2人に殴り掛かれと教えていました。


「でもこうも言っていただろう? 殴りかかるだけが戦闘じゃない、相手の苦手な技や弱点を見つけた場合はそこを狙えって」


「弱点...?」


 どうやらミルシュは理解していないらしいので私が行動で示す事にしました。


「ミルシュ、私を信じてくれ」


「...分かった、ミカを信じてみる」


 そう呟いた彼女は魔法の詠唱に入ります。


「ありがとう、じゃあ気張ってみますか!」


 今から私が1人で戦い奴の隙を作らなくてはいけません。


 ぐっと力を入れて全身を硬化し、奴の攻撃を全て受け止めました。


 一方的に殴られている私を見て心配そうにしているミルシュに対して大丈夫と呟く。


(今は耐え凌いでミルシュの魔法を試してみる)


 その思いで奴の激しい攻撃の数々を受け止め続けるのでした。

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