第258話 風邪②
あの後結局風邪で寝込んでしまった私は、マサツグの家で看病される事になりました。
「ゴホッ! ゴホッ!」
咳をこむ私を見たレイナが診察の結果を皆に言い渡します。
「これはどう見てもただの風邪ですね、2日も休めばきっと良くなるでしょう、取り敢えずしばらくの間は私たち3人でケロナの看病をすればいいです」
「ケロナお姉ちゃんが風邪をひくなんて...、珍しいこともあるね」
「ケロナお姉様、本日の汗拭きは全て私が行いましょう! 安心してくださいませ! これは決してやましい気持ちで言っているのではありません! 汗だくの体に過剰なボディタッチをしようなんて夢にも思ってませんから!!」
「うん、取り敢えず私が責任を持ってケロナの体を拭きますから、エリーゼさんは退出してください、今日は私とサラでケロナの面倒を見ますので、貴方は周囲の警戒でもしていてくださいね」
レイナがニコニコとした良い笑みでエリーゼに残酷な答えを言い渡す。
「そ...そんな!! せっかくのチャンスが!!」
心の声がダダ漏れなので仕方ないだろう。
「普段お強いお姉様が初めて見せる弱りきったお姿...、こんなレアな現場に居合わせてチャンスを物にしないのは勿体な...!」
「うん、エリーゼさんはちょっと黙りましょうか【
「何をする気なの...です...か...」
エリーゼの鼻の前に杖をかざして彼女は何度も魔法を詠唱します。
2回3回続くにつれて、エリーゼの動きがどんどん緩慢になっていき、ついに眠り始めました。
「流石に寝起きの方をもう一度眠らせるには何度か【睡眠】の魔法をかけなおさないといけませんね、でもまあこれでケロナの貞操が守られるのなら当然の処置でしょう、じゃあゆっくり休んでくださいね」
「お姉ちゃん! たまにはサラ達に甘えても良いんだよ? 風邪の時くらいゆっくり眠ってね!」
2人の優しさに私は思わず涙がこぼれてしまいそうになりましたが、丁度いい機会です。
2人の言う通りたまにはゆっくり眠ってみましょう。
そうやってリラックスして眠ったら、記憶を失う前の事が夢に現れたりしてね...。
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