第257話 風邪

 ちゅんちゅん...。


「んぁ...?」


 私は小鳥のさえずる音で目を覚ましました。


 なんだかすっごく頭が痛くてついつい抑えてしまいます。


(なんか頭が痛いなぁ...、と言うか何で皆地べたで寝転んでいるんだ?)


 私以外にも屋敷の至る所で泥酔した後のように横たわる人の数々が目に写りました。


 昨日のことはよく覚えていませんが、とりあえず酒を飲んではしゃいだ後に、そのまま眠ってしまったのは覚えています。


(皆きっと疲れてるんだろうな...、寝かせておいてあげようか)


 普段ならこんな所で眠っている人は全員叩き起こす私ですけど、自分が地べたで眠りこけていたのでは強く言えません。


 もう朝日は上がっているし、そろそろサラとエリーゼも起きる頃だろう...。


 そう思いながら大きくあくびをした後で動き始める私。


「ふぁ〜...、あっ?」


 歩こうと思った矢先にぐらりと体がぐらりと揺れ動きました。


「あれっ...?」


 立とうと思っていてもなかなか立ち上がれず、どうにか立てたかと思えば壁に体を当てていなければ歩けないほどしんどくなっています。


 しかも、体が熱くて何もしてないのに汗をかき始める自分の体を見て大体察してしまいました。


(まじか...、これ...多分だけど風邪ひいたな...)

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