第262話 赤いマフラー
「んっ...」
私が目覚めたのは月の光が差し込む時間帯でした。
「す〜...す〜...」
私の隣でレイナとサラ、そしてエリーゼが眠っているのが見えますが、今一番気になったのはもちろん
綺麗に畳まれて私の頭の上に置かれていたマフラーを手に取ってまじまじと見つめる。
なぜか意識的にこのマフラーを大事にしないといけないと思っていた私ですが、先程の夢のおかげでこのマフラーの大切さが身に染みました。
勿論ただの夢かもしれませんけど、さっきの夢の感じ的は昔に本当に私がそう体験した事のような気がしてなりません。
(あの子の名前...結局なんだったんだろう...)
夢に出てきた赤髪の少女の名前が気になる所ですが、今の私に彼女の名前を知る術はありません。
「はあっ」と大きなため息を吐きながらもう一度布団に倒れ込む私。
(大丈夫、まだ時間はある、また今度ゆっくり考えよう...)
もしかしたらまた夢で会えるかもしれません。
その時にふとサラが目に止まりこう思った私は静かに笑ってしまいます。
(サラ...、もしかしたら私にもお姉ちゃんがいたのかもしれないね...)
私は淡い期待を持ちながら、再びあの子に会えるように祈りつつ眠りにつくのでした。
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