第407話 決勝戦 ②

「はぁぁぁぁ!! 【ブレイブ・ソード】!!」


 この俺、勇者キィアの渾身の一撃である【ブレイブ・ソード】が炸裂する!


 これは並の魔物なら一撃で葬り、強敵が相手でも大きな怪我を負わせることの出来る魔力の刃を飛ばす技だ。


 なぜ1発目からこんな大技を出すのかと言うと、勿論ケロナちゃん達を一切舐めていないからである。


 マーカイルを本当に倒したと言うケロナちゃんであれば、流石に怪我こそすれども死にはしないだろう。


(さあ、俺の最強クラスの技だ、どうするケロナちゃん?)


 そう思っている俺にケロナちゃんは一言こう呟きました。


「サラ、お願い」


「うん! 任せて!」


 なんと! ケロナちゃんではなく妹ちゃんが前に出たではありませんか!。


(馬鹿っ! 死ぬぞ!)


 妹ちゃんのレベルがいくつかは知りませんが、俺の【ブレイブ・ソード】を受けて耐えられる訳がありません!。


「妹ちゃん! 避けろ!!!」


 自分で大技を放っておいてなんですが、思わず躱すように叫んでしまう俺。


 しかし、妹ちゃんは避けるどころか真っ正面から受け止めるつもりなようで呪文を唱えていました。


(馬鹿な! 止められる訳がないだろう! テクアの攻撃アップの魔法が乗った【ブレイブ・ソード】だぞ!? 民家だって壊せる威力があるんだ!)


 そう思った瞬間!


「【光輪の矢】!!」


 と言う見たこともない魔法で俺の【ブレイブ・ソード】を相殺してしまったのでした。

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