第20話 蒼き力②
全身から力がみなぎってくる様な感覚が私の心を高揚させる。
(以前にこんな経験をした事があったような...、記憶を失う前の私は一体何をしていたの...?)
そう思わずにはいられないほどの魔力が唸る!!。
「人形どもで囲んで一気に制圧してやる!!」
彼が指を動かすと10体もの人形が一斉に動き襲いかかってくるのだが、それでも私の心は波一つない湖の如く冷静だった。
彼の指の軌道を目で見て感じ取り人形の動きを予想する。
そしてそのまま手をかざして魔法を放った!!。
「【生活魔法・水】」
私がそう唱えるや否や純度の高い水が掌から溢れ出し人形の挙動を遅らせる。
「馬鹿な、生活魔法でこれだけの水量を出せるはずがない!!」
マーカイルの言う事にも一理ある。
これはあくまでも
いつもの生活魔法を発動させただけなのだが想像以上の量に私自身が驚いていた。
(凄い水の量と質! これを攻撃に転換できれば...!)
私はイメージした、この人形どもを一斉に葬り去る水の
イメージが固まった瞬間に指をぱちっと鳴らして魔法名を唱える!!。
「【ケロっとすぱいらる☆】!!」
私の言葉と共に地上を流れる水達が螺旋を描く投槍の如き動きで練り上がる!!。
ザシュッ!! と言う乾いた音がそこら中で鳴り響いた!!。
私の魔法で串刺しになった人形達はだらんと力なく体を横たわらせ、そのまま砕け散っていく...。
しかし、彼らも元は優しくしてくれたスラナ村の住民だと言う事を忘れてはいけない。
「ごめんなさい」
私はそう呟きながらも
「おのれっ!! よくも私の作品を!!」
人形達を一つ残らず壊されてかなりご立腹な様子の彼を見て私は笑った。
「どうした? さっきまでの余裕が見て取れないんだけど...」
この言葉は彼の逆鱗を踏み抜くには十分すぎた。
「ぬかせ!! 人形がなくともこのマーカイル! 村娘如きにおくれはとらん!!」
勇者さえも翻弄した素早い動きで私に詰め寄ってきたのだが、ここで違和感に気がつく。
(あれっ? こいつってこんなに
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