第296話 洞窟②

 髪を下ろして綺麗な体を見せつけてくるプラルには少々嫉妬してしまう所ではありますが、出るところが出ていないのでまだ発展途上な体といった所でしょう。


 まあ、それは私も同じなんですけどね...。


 いや、今はそんな事はどうでも良いのです。


「あ...貴女まさか! 私が意識のない事をいい事にあんな事やそんな事を!! きぃぃ!! ケロナお姉様!! エリーゼは汚されてしまいました!!」


 ドンドンドンと床を叩く私を心配したのか彼女はこう言ってきました。


「あんな事やそんな事というのがどんな事なのかはわかりませんが、取り敢えずこちらにきて温まってください」


「えっ...?」


 彼女がそう言って焚火をしている所に案内してくれました。


 そしてその焚火の上に私の着ていた服と彼女の着ていた服があったので何と無くいきさつを理解してしまう私。


(まさかこの子...、私の服を乾かしてくれていたのかしら...?)


 それによく聞くと雨の音が外から聞こえてきます。


 そこまで分かれば何故自分が裸にひん剥かれているのかようやくわかりました。


 それと同時に人として恥ずかしくなり思わず...。


「...悪かったわよ」


 と謝ってしまうのでした。


「えっ?」


 驚いた表情で私の方を見てくる彼女にもう一度自分の本心を伝える私。


「悪かったって言ってるの! 勝手に1人で誤解してあんたの事悪い人みたいに思ってた...、それに関して今謝っておくわ、本当ごめんなさい」


 突然謝ってくる私に彼女は慌てている様子でした。


「い...いえ、私は当然の事をしているだけですから、皆様の中で1番後輩に当たる私が皆様をサポートするのは当然です」


 これだけの仕打ちを私は彼女にしたというのに、彼女はそんな私をサポートしてくれるのだと言う。


 ついつい嬉しくなった私は彼女を...。


「プラル! 貴女は今日から【エリーゼ騎士団】の団員No.3にしてあげますわ! 勿論No.1はお姉様でNo.2は私ですけどね!」


 突然そんな事を言う私を見て「あはは」と静かに笑ってくれる彼女なのでした。

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