第470話 豪華な朝食

 私は早起きして皆の分の朝食を作っていました。


「人数も多くなってきたしそろそろ調理器具も大きい物に変えないといけないね」


 7人分の食事を1人で作るのは流石に骨が折れますからね。


 まあ、それでもまだ作れる範囲だから後々でもいいんだけど、できれば少しでも食事を作る時間を減らしたいと思うのは全主婦の理想でしょう。


 ...。


(よく考えたら私主婦でもないのになんで皆の分のご飯を用意しているんだろうか?)


 些細な事に疑問を抱きながらも、私は朝食を作っていく。


 昨日のスープに合うのはパンだと思うけど、私がご飯を食べたいのでご飯にしましょう。


「ついでに昨日村でとってきた肉も焼いて、魚も捌いちゃおうか」


 あまり日持ちしそうになかったから思わず張り切りすぎてしまっている事に気がつかない私はどんどん手を早めていく。


 1人で3人分くらいの調理を進めた結果...。


 〜朝食時〜


「あっ、レイナおはよう」


「おはようケロナ...、相変わらず早起きですね...」


 眠たそうに目を擦りながら席に座ると私はすかさずコップに入れた水を渡しました。


「目覚めには水を一杯飲むといいよ、目が覚めるから」


「うん...ありがとう」


 彼女がコップに入った水を飲んでいると...。


「うっ...!」


「どうしたのレイナ!?」


「ゴホッゴホッ」とむせる彼女の背中をさする私に彼女は言いました。


「ケロナ? 流石に朝食にこの量は食べれないと思わなかったの?」


「えっ?」


 レイナの指さす方向には私によって作られた豪華な朝食が輝いているのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る