第469話 野菜のスープ②
「はっ!?」
ようやく起きたキィアに私は言いました。
「キィア、今度からはちゃんと声かけをして皆がお風呂から出た事を確認してからお風呂に入ってね」
そう言いながら彼の分の野菜のスープをお椀に注いでいると、とんでもない発言をしてきたので思わず彼の事を2度見していまします!
「...まさか俺が一緒に風呂に入って喜ばない女の子がいるなんて...! すまなかった!」
「...はっ? もしかして自分が一緒に入ったら女の子が喜ぶとか思ってたの?」
「ああ、以前のパーティだと俺と一緒にお風呂に入る事がステータスだとかで毎日誰かと一緒に入っていたしそれが普通なのかと思ってた」
「...なるほどね、取り敢えず言っておくけど女の子は基本的に男性に肌を見せません!」
「そうなのか!?」
「そうだよ! 貴方達の勇者パーティの女の子達がどうだったかは知らないけど、世間一般的な女の子は男の人と一緒に風呂には入らないからね! 以後気をつけること!」
私の言葉に「はいっ!」と答える彼の根はいい人なのだと思う。
けど...、何というか彼って...。
うん、言っちゃいけないから心の中で言うね。
(キィアってアホの子だよね?)
私は内心彼の事を馬鹿にしながらもちゃんとご飯は与えます。
「ほらっ、ちゃんと温めて直してるからちゃんと食べてよ? せっかく貴方の分も作ってるんだからね」
「ケロナちゃんが俺の為に!?」
「なに? いらないんだったら私が食べるけど?」
「いやいやその逆さ! お風呂を用意してくれてたり食事を作ってくれたりするなんて...、ケロナちゃんってもしかして俺に気がある?」
「はいはい、変なこと言ってないでちゃんと食べてよね、残すともったいないから」
私の言葉と共に彼は野菜のスープに手を出し始めました。
「美味い! このスープめっちゃ美味いよ!」
(あっ...、キィアの食べっぷりは嫌いじゃないかも...)
まるで子供のように美味しそうにスープを飲み干す彼の姿は意外と悪くありません。
「ふぅ...美味かったよケロナちゃん!」
「そう、お代わりはいる?」
「勿論いただくよ!」
そう元気に答えてくれるとついつい嬉しくなってしまう私なのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます