「それは...！　【聖典】！！」

　突然ケロナちゃんが声を荒げたかと思ったら目の前のエルサと言う少女が持っている本の事を【聖典】と言い出しました。

　確かによく見てみるとあれはマーカイルとの戦いで見た本によく似ています。

「御名答♡ 流石ケロナだね♡ 死神ポイントを1点あげちゃう♡」

　などと言いながら【聖典】をめくり始める彼女。

「じゃあ早速行っちゃおうか！　こ（・）こ（・）を（・）地（・）獄（・）に（・）変（・）え（・）る（・）ね（・）♡」

　俺はその言葉を聞いた瞬間に体が動いていました。

　まさかとは思いましたが、もしもまたマーカイルのような化け物を生み出されては溜まった物ではないからです。

「やめろ！！」

　ケロナちゃんが何故か静止してきましたが無論立ち止まるつもりはありません。

　剣を思いっきり振りかぶり【聖典】を切り裂いたつもりでしたが...。

「えっ...？」

　俺の剣撃を彼女は簡単に受け止めていました。

「えっ？　何？　今エルサに攻撃したの？　お兄さんよっわ〜い♡」

　などと言われたので思わず【ブレイブ・ソード】を放つ！

「本当に弱いか試してみるか？」

　自身の中にあるありったけの魔力を剣に投資して極大の【ブレイブ・ソード】を放った！！！

「これが俺の全力だぁ！！！」

「ふふん、ちょっとやるじゃない♡ でも...、エルサの相手にはならないかな〜♡」

　彼女はその手に持つ鎌を一振りするだけで俺の【ブレイブ・ソード】を弾き返してしまう！

「えっ...！？」

「馬鹿っ！　避けなさい！！」

　ケロナちゃんにそう言われたのに、目の前にまで迫る黒い斬撃に俺は身動きすら出来ない。

(あっ...死んだ...)

　絶対的な死（・）を目の前にすると人は思考が停止し、ただ動けなくなると言う...。

　まさにそんな状態に陥った俺の目の間にシャロンが飛び込んできた！

「させない！　キィアは世界を救う勇（・）者（・）だ（・）か（・）ら（・）！（・）！（・）」

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