第414話 【地獄】

 ビチャ...ビチャ...。


 俺の体に血が付着する...。


 誰の血かは言うまでもない...。


「シャロン...?」


 俺が名前を呟いた瞬間に倒れ伏す彼女の


「あらら死んじゃったね♡ 弱いからそうなるんだよ?」


「ッッッッ!!! ぅぁあああああ!!!!」


 俺はすかさず剣を取りエルサに斬り込む!!!


「テクア!! ステラ!! 俺に強化魔法を!!!」


「ええ!!」


「勿論です!」


 2人がほぼ同時に【付与魔法】をかけてくれたお陰で目の前のに立ち向かう勇気が出てくる!


「シャロンの仇だ!! くたばりやがれ!!」


 今度こそ【ブレイブ・ソード】を直撃させる為にギリギリまで近づいてから放った!!


「【ブレイブ・ソード】!!!!」


 俺が今まで使った中で最大級の【ブレイブ・ソード】が放たれたのだが...。


「なっ...!」


「う〜ん...、なんかいまいちだよね? お兄さんの技、これならレイナお姉ちゃんの魔法の方が痛かったよ?」


(俺の最強の一撃が効かないだと!?)


「くそっ!!」


 そう思いながらもガムシャラに剣を振るっていた俺ですが、エルサにはあくびをされていました。


「うん、もういいよお兄さん、前座ご苦労様」


 ドンっ! と足蹴り1発で決められてしまう俺...。


「あがっ...、がぁ...」


 お腹を押さえながら悶えていると、彼女の【聖典】から何かが溢れ出してきた!


(な...なんだアレ...!)


 パラパラパラとページが捲れた先に黒いゲートの様な物が現れ、そこから見たこともない魔物達が溢れ出してくる!!!


「エルサを倒さない限り【聖典の儀】は終わらない...、さあ抗って見せて♡」


「ぐっ...!」


 なんとか立ち上がった俺は皆に声をかける。


「皆! 一度俺の周囲に集まれ!」


「分かった!」


「分かりました!」


「ああ!」


 俺たち勇者パーティは円陣を組み、この地獄と相対するのでした。

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