貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります！！

第415話 【地獄】②

【聖典】から溢れ出してくる魔物の強さはとんでもない個体ばかりだった。

「嘘だろ...！」

「どうした！？　ユージア！」

「【デス・スパイダー】レベル110【デス・ウルフ】レベル113【デス・ジャイアント】レベル117【デス・ナイト】レベル120...」

　ユージアが示したのは【聖典】から溢れ出してくる魔物のレベルである。

「嘘だろ...！？　雑魚でもそのレベルなのか！　通りで雑魚相手にこんな苦戦をする訳だ...！」

　一応倒せない相手ではないのだが、やはり一踏ん張り必要な相手ばかりなのでどんどん追いつめられていく俺たち...。

　テクアが何度も強力な魔法であたりを焼き払っても怯みもしない不死身の軍団が俺達に襲いかかってくる！！

「くそっ！！」

　全力で剣を振るい続ける俺だったが、トーナメントの疲労や【ブレイブ・ソード】を何度も使いすぎたせいか、魔力切れで思った様に体が動かない。

(これはまずいな...)

　さらに敵さんも馬鹿ではない様だ。

「あっ！」

「ステラ！」

　まずは回復役のステラが潰された。

「キィア様！　助け...」

　グシャ...。

「あっ...あぁ...」

　目の前で仲間が巨大な敵に踏み潰されて血の水溜りと化す瞬間を見てしまった俺はつい吐いてしまう

「うぐっ...！　おえぇぇぇぇ！！」

「キィア！！　しっかり...！」

　俺の心配をしてくれた【魔術師】のテクアだったが...。

「あっ！」

　後ろから【デス・ナイト】の剣に背中を刺されてそのまま上に持ち上げられた！。

「あぐっ！　あがっ！！」

　重力に逆らわず、彼女の体は徐々に下がっていき【デス・ナイト】の腕にその体を乗せるまで放置される。

「テクア...！」

「逃げて...キィア...」

　彼女は最後にそれだけ呟くと体を一刀両断されてしまう...。

　ビチャァァと言う音と共に俺の体に彼女の血が染みつく...。

「あぁ...、うわぁああああ！！！！」

　一心不乱に剣を振り回す俺の周囲を埋め尽くす【死】の名を冠する魔物達。

　さらに凶報は続く...。

「キィア...悪い知らせだ...、【エルサ・ザナイン】のレベルは4（・）2（・）7（・）だ...」

「そんな...レベル4（・）2（・）7（・）だって...？」

　圧倒的なレベル差に呆然としてしまう俺なのだった...。