第585話 爆速レベルアップ!⑥
「はっ!」
勢いよく突きを繰り出すミカの腕を掴み投げに入る私。
「えっ...?」
彼女からすれば急に体が空中に投げ出されるような感覚だろう。
「痛っ!!」
声をあげながら地面に叩きつけられる彼女の腕を掴んだまま乗り掛かって地面に拳を打つ。
地面に拳の跡が残る程の威力で殴りつけたので、彼女は少し怯えた様子で私のことを見ていました。
「痛いなんて言っている暇があったら反撃する! 実戦なら死んでるよ!」
しかし、私の言っている事に共感したのか弱音を吐かずに私に立ち向かってくる彼女。
「はっ!」
初めて出会った時のような生意気な笑みで私に拳を当てようとしてくる彼女の攻撃を完膚なきまでに弾き続けました。
一応彼女もレベルが上がって強くなっているはずですが、それでもプラルやエリーゼの攻撃に比べればだいぶぬるい物だと思います。
(...全然だめね、こんなんじゃあ【眷属】と戦わせられない)
そう思った矢先でした。
いきなり彼女の拳のパワーが一瞬だけ上がって驚いたのは...。
(今のは...何? 一瞬だけどパワーが加速度的に増した?)
それでもまだ実用的な威力ではありませんが、このパワーを常に維持できるようになれば私の邪魔にはならなくなるでしょう。
「ミカ、今の一体何?」
私の質問に彼女は答えました。
「何って...、ゴーレム種のスキル【硬質化】だよ? ゴーレムなら皆覚えている単純に肌の強度を硬くする強力なスキル」
「...今のを24時間ずっと使えるようになることはできるかしら? せめて半分の12時間でもいい」
私の問いに彼女は両手を振って無理だと言いました。
「いや...無茶言わないでくれよ! 【硬質化】ってめっちゃ疲れるし魔力も使うから長時間の使用には向いてないんだ、だから攻撃する一瞬にだけ発動したりするのが普通だよ、まあこの体のお陰で武器を買わずに身体能力を高めるだけで良いのはメリットだけどね」
「ふ〜ん...、でも特訓すれば一瞬とは言わず1時間くらいは持たせられるようになるんじゃない?」
「そうだねぇ...、できて30分かな、しかもそのあとは半日くらい全く動けなくなるデメリット付きだけど」
「へぇ...30分はできるんだぁ...」
私がニヤリと笑いながら彼女の事を見つめていると、妙な気配を察したのか彼女は凄く変な顔をしているのでした。
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