第533話 ポニーの言語取得⑥

「この剣...! 凄く軽くて扱いやすいですわ!」


 エリーゼが剣を振り回しながら感動している。


「凄い...、この手裏剣なら木でも薙ぎ倒せそうな鋭さを感じる」


 プラルもポニーが作った手裏剣に魅了されている。


「あのさっ! 俺のは!?」


 キィアも早く自分の剣を見てみたいと言ってきたので渡してみました。


「キィアの剣は...」


「早く渡してくれよ!」


 興奮した声で剣を渡すように催促してくる彼に剣を渡しました。


「おおっ! これが俺の新しい剣!!」


 そう言いながら鞘から剣を引き抜くと...!


「ありっ!? 刀身が以前の半分くらいしかないぞ!?」


 と困惑したような表情を浮かべていました。


 最初はポニーさんの冗談かと思いましたが、どうやらそうではないようです。


 身振り手振りでこの剣の使い方を教えてもらうキィア。


「...!」


「なになに? 魔力を込めて刀身を好きなだけ伸ばせって?」


 ポニーさんは何も言っていないのに身振り手振りだけで理解する勇者。


「ふんっ!」


 勇者が剣に魔力を込めると、魔力がそのまま刃となって変幻自在に形を変える!


「おおっ! こりゃ便利で面白いが...、勇者が使う武器にしてはちょっと格好悪くないか?」


 確かに、これでは武器種的に剣と言うよりはどちらかと言えば鞭だと言えるでしょう。


 ですが普通の剣よりも多彩な戦い方ができる魔力刃の方が圧倒的に汎用性が高いと思います。


「こうしちゃいられないな、エリーゼ! プラル! 俺と外で新武器の特訓をしようぜ!」


「勿論ですわ!」


「当然!」


 2人ともノリノリで外に向かう様は、まるで新しい玩具を買って貰ったばかりの子供のように微笑ましい物ですね。


 そう思っていると、ポニーさんは私の杖にも興味を持ちました。


 ちょんちょんと杖を突きながらしばらく考えた後に彼女は私の杖を持って自室に戻ってしまう。


 多分私の杖うぃ強化する方法を思いついただけでしょうから、ここは私も外に出て皆の武器の試験運用を見てみましょうかね。

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