第561話 【海龍ポセイディア=ルクベリアル】③

「【蛙伝雷速】」


 私は海の中で電撃を自身の身の回りに出現させて身体能力を底上げしました。


 そして勢いをつけて一気に荒れ狂う波を超えて【海龍】の元へと辿り着き【ケロっとすぱ〜く☆】を放ちました。


 蒼き稲妻が【海龍】に降り注ぎ何度も感電により追加ダメージを与える。


「グギャァァァァ!!!」


 凄まじい叫び声が聞こえる中、私はすかさず【ケロっとすぱ〜く☆】を連打する!


 海の魔物にはこの技が有効だと何となく分かってはいましたが、ここまで効果てきめんだとどんどん使いたくなりますね!


 しかし、奴もただやられているだけではありませんでした。


 私が海の中にて素早さを上げる生物だと即座に気が付いたのか海面を両断してしまったのです!


 なにを言っているのか分からないと思いますが、私もなにをされたのか最初わかりませんでした。


 突如として海の水が左右に分かれてしまい、私のいた場所にはまるで海その物がなかった様な状態となり海底にまで落下する。


「うわっ、マジか、少女1人を相手にここまでするドラゴンなんかいる!?」


 そう思いつつもこのままでは海底に叩きつけられてしまうと思った私は、空中に水の玉を作り出してその中に飛び込みました。


 そしてそれが落下してしまう前に次の水の玉を作ってそちらに飛び移ります。


 これは【蛙人族】ならではの戦い方で、水の無いところや空中の敵に対して使う技なのです。


 これだけでも自分の体が人間ではない事に気がついたメリットではありますね。


 もしも自分の体が人間の物なのだったなら、こんな風に水中を高速移動して水の中から次の水の中へと次々に移動する事なんてできないのですから。


 私の意味不明な高速移動を目の当たりにした際には【海龍】ですら面を食らっているようなのでした。

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