第560話 【海龍ポセイディア=ルクベリアル】②

 〜海の中〜


 私は着水した瞬間から【海龍】の方に向かって泳ぎ始めました。


 私は【蛙人族】なので海水であろうと水の中の方が素早く動けるのです。


 言うなれば水の中こそが私のホームグラウンドと言う訳ですね。


 勿論塩水よりは淡水の方が好みですが、そこは別に良いでしょう。


 私が【海龍】の方には近づこうとすると、奴はでかい巨体を活かして波を立たせてくるのが少し鬱陶しい。


(このくらいの波なら余裕だけど、仮にもSランク指定の魔物だしこれだけじゃないよね?)


 そう思った矢先、水の槍が波に紛れて放出され始めました。


 景色と同化しているのでかなり見分けづらいですが、確かに水属性の槍を私に向かって放ってきているのが分かります。


 勿論そんな物私には通用しませんが、一応こちらも【ケロっとすぱいらる☆】で応戦しました。


 荒れ狂う波の中に私の作り出した螺旋の渦巻きが現れたので当たりの海面はしっちゃかめっちゃかにうごきまくっています。


 並の生き物であれば直ぐに飲み込まれてしまうほどの大嵐の様な海でも、今の私ならば問題ありません。


 今の私ならば天変地異が起こった海の中でも生きていける気がします。


(流石Sランクモンスター、強さは本物のようね)


 私は静かにそう呟くと次なる手をうっているのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る