第562話 【海龍ポセイディア=ルクベリアル】④

 私の異質な移動方法に面をくらいながらも水のブレスを吐いて応戦してくる【海龍ポセイディア=ルクベリアル】!


「これじゃあまるっきり海辺に出現した滝ね」


 私は軽口を叩きながら緊急回避とばかり自分の身を包んでいる水の玉と同じ物を周囲に沢山出現させて何処に飛び移るのかを予想できなくしてあげました。


「グアッ!?」


 驚きのあまり声をあげる【海龍】に私は近づきそのまま殴りつける!


 これだけの体格差が有れば拳での反撃など意味がないと思う人が多いでしょうが、魔力を乗せた一撃ならば質量だけでの勝負とはなりません。


 思いっきり振りかぶった一撃を長い胴体に1発くれてやると大きく揺れる【海龍】の体。


「うん! 効いてる!」


 私はそう言いながら第二撃を放つ!


 魔力をそのまま乗せた、ただの少女の一撃に【海龍】の体は何度も揺れ動く!


「グギャァァァァ!!!!」


 凄まじい叫び声の様な物が聞こえたかと思うと、その巨体を活かして私を押しつぶそうとしてくる【海龍】を見て笑いました。


「ちょっと鈍いよ!」


 私は奴の体が私に当たりきる前に移動して奴の頭の上に登りました。


 いきなり私が消えた事に辺りを伺っている【海龍】の頭の上でゆっくりと【あまみん☆=バスター】を引き抜きました。


(もうちょっとの間だけ私に気づかないでよ?)


 そう思いながら3秒ほど魔力を刀に乗せた後、奴の頭の上からジャンプするのでした。

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