第563話 【あまみん☆=バスター】

 真名を取り戻した自身の刀に魔力を込めながら一気に振り下ろしました。


「【あまみん☆=バスター】!!!」


 私が刀の真名を宣言すると刀の刀身が蒼く発光し始める!


 刀に与えた魔力の総量が2倍にも3倍にもなる感覚を全身で感じながら頭の上から長い首筋全てを切り裂く!!


 勿論強固なドラゴンの鱗を簡単に切り裂ける訳はないと誰もが思った次の瞬間!


 スッ...。


 それはまるで柔らかい物でも斬っているかの様な感覚だった。


 確かに物質を切っている感触はあると言うのに、まるで手応えがない。


 まさしくただ空を斬るような感覚でドラゴンの鱗を切り裂いていたのだ。


 私は自然落下に身を任せながら【海龍】の体を切り裂いていく!!


 私が切り裂いた順に上から大量の血が噴き出してくる!!


 私の体が奴の血で真っ赤に染まる度に命を削り取っているのだと自覚しました。


 仮にも【Sランク】の魔物です。


 これだけで終わるとは思えませんが私は海面に着水するまで思いっきり刀に力を入れて勢いよく着水しました。


 ザバン!!!


 私が勢いよく海に着水すると、その周囲の波が揺れる。


 そのまま水中を移動して奴の背後に回り込み第二撃を振おうと【あまみん☆=バスター】を振るった時でした!


「えっ!?」


 私は目の前に広がる光景に思わず驚いてしまう。


 なぜなら、私が切り裂いた【海龍】の体が後ろまでしっかりと両断されており、上から下まで全てパックリと左右に割れて勢いよく血を吹き出していたからでした。

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