第429話 【死の案内人】④

「はんっ! 何をする気かしらねぇが【死の案内人】こいつに並大抵の攻撃は効かねぇぞ!」


 男勝りな口調で私の【ケロっとすぱいらるすぱ〜く☆】から抜け出したエルサがそう言いました。


 彼女の言う通り並大抵の攻撃では全く歯が立たないでしょう。


 ですが【光】の属性を纏う矢ならば試してみる価値はあります。


【闇】と【光】は相反する属性なのでお互いに捕食し合う関係にあります。


 ならば、サラがもしも【死の案内人】の【闇】よりも力強い【光】の矢を放てるというのであれば、もしかしたら【死の案内人】を倒せるかもしれないと思ったのでした。


(一度試してダメだったらダメだった時に考えれば良い)


 と言う考えの元作戦を実行に移す!


 素早さは私の方が早いので後ろに回り込み電撃を放つ!


「【ケロっとすぱ〜く☆】!」


 勿論これだけでは倒れないので次々に攻撃を決めようとしたのだが...。


「おいおい、お前の相手は【死の案内人】そいつだけじゃねぇぞ!」


 エルサに邪魔をされまくってなかなか【死の案内人】の体力を削れません。


 いや...、寧ろこうやって戦っていれば先に体力が尽きるのは私の方かもしれない。


【蒼極】の力は発動していれば【死の案内人】とエルサを同時に相手にしても一応問題なく戦えるようになるほどの力を秘めているけれど、それと同時に自身の魔力を大量に喰らう諸刃の剣でもあるのです。


 現に【蒼極】の力を発動している間はとんでもないスピードで回復が行われますし、スピードも発動していない時と比べれば雲泥の差があります。


 そのおまけとばかりに全能力が向上して【雷】の力まで自在に操れるようになるのが【蒼極】のメリットですが、強力すぎるが故に常に大量の魔力を消費してしまっているのでした。


(早めに決着をつけないと...)


 焦る私の隙を【死神】は見逃さなかった!


「【死の鎌デス・サイズ】!!」


 私に死という名のプレゼントを送る為の特別な装飾の施された鎌を出現させる彼女。


(まずい! 避けきれないから防御するしかない!)


 私が腕に魔力を込めて彼女の攻撃を防御すると、攻撃を防がれた筈なのに何故か不気味な笑みを浮かべている彼女なのでした。

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