第629話 【対価を求めた医師】②
私はハルトを回復させるとすぐさまこう言いました。
「ハルト! あなたが操られていたのは分かったから早くここから逃げなさい!」
ショックを与えるだけで元に戻っているかはわかりませんが、一応そう声をかけました...が。
「ハルト...?」
私の声はどうやら彼に聴こえてない様です。
すぐさま私の首を絞めてくる彼の行為に耐えられなくなった私は仕方なくトドメを刺しました。
彼の体に風穴を空けて一撃で即死させた後にペリアに向かって走る私!
毒の霧を発しながら私に【眷属】となった一般市民達を私にけしかけてくる!!
今のところ毒の霧が効いていない様に感じる私の体ですが、いつ毒にかかるか分かった物ではないので一応全身に水の膜を貼り空気感染し辛くはしています。
ミカにも同じ物を貼っていますが、いつまで持つかは分からないので早く決着をつけないといけません!
「邪魔をするなぁ!!」
私は罪もない一般市民を殴り殺していきます。
全ては...、【眷属】と化したペリアを殺すため...。
必要な犠牲だと思って割り切るしかないのです。
息を切らしながら周囲の【眷属】と化した者たちを消し去ると、ついにペリアが私の方に視線を合わせました。
今の彼女からは【大帝の眷属】特有の嫌な感じがしています。
「やっぱり...、あなたは奴らの一員だったのね...」
彼女と出会った時からその気配はしていましたが、微弱すぎてそうではないと信じたかった自分がそこにはいました。
「あなたは既に皆から命と言う対価を得てしまった...、もう見過ごせない...」
恐らくですが彼女に診察された者達が彼女の毒の霧を吸う事によってペリアの【眷属】となるのでしょう。
そう過程すると、タダで診察していた事への辻褄が合ってしまうのが悲しい...。
そしてミカがまだ眷属になっていないのはきっとレベルによる耐久性が上がっているからだと推測できます。
そう思えばそう思うほど、彼女の事を許せなくなってくる...!
「貴方が皆の事を診察していたのは自分の手駒にするためだったのね...」
私はそう呟くと彼女を叩き潰すために特攻を仕掛けるのでした。
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