第464話 ドワーフ製の武器②
「ええ、私だってできれば名工多しと聞く【ドワーフ】に武器の強化をお願いしたかったですが、残念ながらこのカニン大陸にはドワーフ族は住み着いていないんですよね...」
「そうなの?」
私の声に対してアポロが答える。
「たしかに、この地域でドワーフ族は見ていないな...、きっとあまり鉱山資源がないカニン大陸では彼らの探究心を満たす事ができないのだろう、このレイピアもクレイトンに流れ着いていた一点物を購入しただけだしな」
優雅にお茶を飲む彼に私は聞いてみました。
「クレイトンに行った事があるの?」
「ああ、仕事のついでに...な」
「仕事って何をしに行っていたの?」
「...、視察とでも言っておこう」
「なんの?」
食い入り気味に聞いてくる私に彼はため息を吐きながらこう言いました。
「ケロナ、これでも僕は年頃の青年貴族だ、あんまり言わせないで欲しい」
「つまりは嫁探し?」
「...」
「...」
私の出した言葉によって空気が重たくなるのだが、空気の読めない馬鹿勇者が1人で騒ぎ立てる。
「なっ...! アポロ貴様!! やはりケロナちゃんが目的だったんだな! 許せん! この勇者キィアが成敗してくれる!」
喧嘩っ早い勇者だなぁ...と思いながらも私は話を続けた。
「キィア! 今は貴方の馬鹿騒ぎに付き合うよりも有意義な時間を過ごしましょうか...、アポロ? 本当に貴方は嫁探しなんかをしてたの?」
キィアを制しながら、私はアポロに問い詰めてみるのでした。
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