第742話 意味深な妹の言動
ジャガイモの皮を剥きながら妹と話し合う。
「何のことかな? 私は貴方のお姉ちゃんだよ」
笑顔で冷静さを取り繕ってはいるのだが、内心穏やかではない。
チラッと我の方を見てきたかと思うと調理を続けながら妹はこう話してくる。
「そうかな? 今の貴方はとっても焦っているような気がするよ? 若干呼吸音が上がって嘘をついている人と同じ状態になっているよ」
なぜそんな事が分かるのかと問い正したいところではあるが、ここで取り乱すのは得策ではない。
我は一呼吸を置いてからこう返す。
「実はさ〜、ここにくるまでに汗かいちゃって、それでちょっと呼吸が乱れてるのかもね」
「これだけ寒い寒気の中を歩いておいて汗をかくかな? 普通なら逆だよね? 嘘をつくならもうちょっとマシな嘘をついて」
(なんだこいつ? 本当にケロナの知っているサラか?)
ケロナの記憶から探り出した彼女の印象はただの少女だったはずなのに、目の前にいる少女は記憶の中にある妹とはまるで別人のように見える。
(どう答えを返す?)
「...」
どう返せば良いのか分からず一旦間を開ける。
しばらく沈黙の時が続き、彼女の方からこんな事を切り出してきた。
「...もしかしてだけど【次元龍】?」
「...!」
我は思わずその言葉に反応してしまうのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます