第530話 ポニーの言語取得③
〜3日後〜
「レイナ、エリーゼ、プラル、キィア」
エリーゼさんの教えがいいのか元々の地頭がいいのかポニーさんはどんどん言葉を覚えて行きました。
今では全員の名前を言えるようになっているほどです。
私が手を出すとそれを握り締めて「レイナ」と答えてくれるのはちょっと嬉しいですね。
「ポニーさん、あってますよ」
頭を撫でてあげると少し笑っているように見えるのは気のせいではないでしょう。
最初の頃なんて何をやっても「あっ...!?」としか答えなかった事を考えると大きな進歩と言えるでしょう。
「...」
まだそれぞれの名前くらいしか言えませんが、それでも名前を言えると言うのはやっぱり大切な事ですからね。
「ゆっくりでいいんですよ、ゆっくりと少しずつ自分のペースで言葉を覚えていってください」
「...レイナ」
「皆さんもいますから、分からないことや不安な事はどんどん伝えてくださいね」
私の言葉の意味を理解しているかはわかりませんけど、こうして接していけばいつかきっと彼女も自分の意思で喋れるようになるでしょう。
言葉とは自分の意見を伝えるために必要なものですし、やっぱり自分の言葉で相手に伝えると言う基本的な事ができないのは可哀想だと思います。
〜数時間後〜
突然エリーゼさんが皆を連れて私の部屋にやってきました。
「皆さんお揃いでどうしたんですか?」
そう私が聞くと彼女はこう答えました。
「私達の武器がないんですよ!」
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