第529話 ポニーの言語取得②

 エリーゼさんが喜びながら飛び跳ねているのを見たポニーさんがこんな事を呟きました。


「えりーぜ...」


 その言葉を聞いたエリーゼさんがポニーさんの方に振り向きました。


「ポニー? 今さっき私の事をエリーゼと言いましたの!?」


「えりーぜ...」


「そうですわよ! 私はエリーゼです! そちらの白いのがレイナさんですよ!」


「白いのって...」


 私は少しイラッときましたが、ここはエリーゼさんの顔を立てると思って黙っておきましょうか。


「れいな...」


「そうですわよ!! えらいえらい!」


 ポニーの頭を撫でながら褒めまくるエリーゼ。


 今貴族の間で流行りの【褒め伸ばし教育】と言う奴でしょうか?


 私は前時代的な教育方法しか知らないのでちょっとは興味がありますね。


 というわけでもうしばらくエリーゼさんの教育を見て見ましょうか。


 しばらく彼女達のやりとりを見ていると、やはり褒め伸ばし教育だと言う結論に至りました。


 少し言葉が理解できると凄い勢いでエリーゼが褒めて成長を促すと言うやられてる側はイライラしそうな教育方法ですが、これは個人差があるでしょう。


 私みたいな自尊心の高い子供を相手にするのには絶対に向いていない教育方法ですが、世間一般的に精神が弱いとされている貴族の子供達に教えるのには最適な教育方法だと言えるでしょう。


 私はそんな2人のやりとりを微笑みながら眺めているのでした。

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