第711話 確かな違和感
私はその後もライファー様の隣で業務を全うしていました。
そうしていると、確かな違和感に気がついてきます。
(...【六帝】とは言っても殆ど人間と生活模様は変わらないのね)
そう、どうやら彼女たち【帝王】であっても毎朝食事を取り、睡眠を貪り生きているのだと言う実感が湧いてきました。
特に私の料理を始めて食べた時のライファー様の顔といえば凄く人間らしく、とても美味しそうに食事を頬張っている姿を見た時にこう思ってしまったのです。
(もしかしたらだけど...、【帝王】達とも和解出来るかもしれない...)
と。
既に私たちの大切な物を奪いすぎてしまった彼女達ですが、誠心誠意を込めて償うと言うのであればまだ和解の余地があると踏んだ私ですが、それはあまりにも細すぎる道だと思います。
人間が蟻を知らぬ顔をしながら踏み潰して歩くように、恐らく彼女達【帝王】が人間の暮らしを破壊するのはそれと同じくらいな感覚なのでしょう。
そうでなければあんな簡単に人の命を奪える眷属達を量産などしないでしょうからね...。
ライファー様から毎日少しずつ話を聞いていくと、【眷属】を生み出していた【祭壇】とはこの世界と【大帝】達のいた世界を繋ぐゲートのような物らしい事が分かった。
【祭壇】とはあちらの世界の【眷属】をこちらの世界に呼び出す為の装置とでも言うべき物だろう。
そして【聖典】についても聞いてみたのだが、そちらについては「大帝様が気まぐれで作った玩具」と言う言葉しか出てこない。
たった3冊であれだけの被害を出した【聖典】が玩具だと言う事を知った時には呆然とするしかありませんでした。
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