第712話 【聖典】が玩具...?

「【聖典】が玩具...ですか?」


「そうよ、あれは【大帝】様が作り出したになれるようにする為の玩具よ」


 私はその言葉に絶句する。


(なにそれ...、【聖典】を止める為にこっちはあれだけ必死に走り回っていたって言うのに...、それが玩具って....)


 それだけでもやばいのに、彼女の口からは更なる言葉が飛び交ってくる。


「そう、所詮この世の全ての現象は【大帝】様の顔色を伺う為の、【帝王】の私が言うのもなんだけどあの方の機嫌をとっておかないと私達ですら生きてはいけないのだから...」


 あれだけ強いライファー様がそう呟くのだから、【大帝】と言う存在はそれほどまでに大きい物なのだろう。


 しかし、そうなると疑問が生まれてくる。


 では何故、と言う事実だ。


 私は怪しまれるのを承知で聞いてみる。


「ライファー様にお尋ねしたい事がございます」


「なにかしら?」


「それ程までに【大帝】様の力が圧倒的なのならば、なぜあのお方は今もなお氷の中で眠り続けているのでしょうか? それも昨日や明後日と言うレベルではない長期間ものあいだ」


 私の質問に彼女は答えてくれた。


「そうね、気になるのならば話しておきましょうか、、なにが起きていたのかを...」

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