第248話 若頭の恋⑩
互いに見つめあった私達は動かない。
私が彼の宣言通りに攻撃してくるのを待っているからだ。
(いつくる...?)
その事で頭がいっぱいな私は、受け身に回ることのみを考えていました。
緊迫した緊張間の中、ついに彼が動き出します!。
(くるっ!)
地を蹴り私の懐に入る彼の速さに驚愕しました。
(なっ!? これが本当に1週間前まで寝込んでいた人の動きなの?)
なんとか初撃を受け止めた私ですが、その攻撃力の高さにまたもや驚く!。
(痛っ!! ちょっと攻撃力高すぎませんか?)
そう思いながらもなんとか払い除ける。
「流石に一撃では沈みませんか」
澄ました顔でえげつない攻撃をしてくる彼に思わずはにかむ私。
「その言葉...、一撃で私が沈む事も視野に入れていたって事でいいかしら?」
「ええ、勿論です」
さらっと私のプライドに傷をつけてくる目の前の男にはちょっとイラッとしました。
(まあ良い、私の本質は物理じゃない)
私は「ふうっ」と息を吐くと距離を再び取ってから魔法を唱える。
「【ケロっとすぱいらる☆】」
指をパチッと鳴らして凄まじい水の螺旋を呼び出す!。
「「「若っ!!」」」
彼を心配する声がそこら中から聴こえてくるのだが問題はない。
ちゃんと加減はしてある。
今はとにかくこの戦いを早く終わらせたいのだ。
しかし、私の思いは簡単に打ち砕かれる事になる。
彼はその拳に黒いオーラを纏った一撃を放ち、私の魔法の勢いを封殺したのでした。
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