第6話 遺跡までの道のり

 私は勇者様のパーティを遺跡まで案内する事になったのだが、その道中で勇者キィアが私を質問責めにしてきた。


「ケロナって変わった名前してるよね、凄く良いと思うよ!」


「どうも...」


「好きな食べ物とかある? 良ければ俺が取ってきてあげようか?」


「食べ物くらい自分でとってこれるから大丈夫」


「くぅぅ!! その跳ねっ返り好きだ!!」


 などと終始こんな調子だ。


 正直彼の相手をしているとめっちゃ疲れる。


 しかも、私が彼が話をしているのを見ている彼のパーティの女共の視線が痛いから心の底から話しかけないで欲しいと思う。


「何あの女...、キィア様に馴れ馴れしくして...」


「後でボコボコにしちゃいましょう!」


「どうせ見た目だけよ、村娘なんて何にもできない無能なんだからほっときなさい」


 という風に好き勝手言っているのが良く聞こえる。


 聞こえないふりこそしているものの、心の中では呆れ返ってしまう私。


(全く...、これが本当に世界を救う『白銀の勇者』のパーティなの?)


 素人目にでさえそう見えてならないのだから不安は溜まる一方だ。


 なので一応聞いてみる事にしよう。


「勇者様ってどのくらい強いの?」


「強さって言うと【】の事か?」


 聞き慣れない単語が出てきたので思わず聞き返した。


「戦闘レベルって何?」

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