第475話 お爺様

 紅白衣装の少女に連れて来られたのは立派な神社でした。


 赤くて立派な鳥居がいくつも作られており、何処と無く雄大な存在感を放っている。


(クレイトンのようなお城も凄いと思ったけど、こういう場所も意外に凄いのね...)


 一体どこからこう言う建築物を作り出す脳味噌の構造があるのかという疑問さえ出てきてしまうのだが、今回はその件についてあまり詮索しないでおこう。


 今から会うであろう【お爺様】とかいうきな臭い人物の方に注意を向けていたいからである。


「この先の神社の中にお爺様がいますので、どうか粗相のないように...」


 それだけ呟くと彼女は神社の内部にある障子を開いて私達と【お爺様】とやらを引き合わせてくれた。


「ようやくきおったか...」


【お爺様】と呼ばれる人物が私達の前に姿を表すと思わずギョッとしてしまった。


 確かに【お爺様】というだけあってかなりのご老体に見えるのだが、その肢体からはとてつもない覇気を感じる!!。


(何こいつ...! この存在感は...まるで...!)


 私はすぐさま腰の刀に手を置いていつでも抜けるようにしておいた。


(くるなら来なさい!!)


 そう思って身構えていると、彼は笑いながらこう呟きました。


「ふぉっふぉっふぉっ、そうりきまなくても良い、今主らと戦っても意味はないからのう」


 彼の真意は分かりませんが、少なくとも今この場ですぐに戦うという選択肢は取らないように見える。


 だけど、油断ならない男な事は間違いないので、私は男の一挙一動に目を向けて確実に先手をとれるようにしているのでした。

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