第767話 騎士と勇者VS【炎帝】

 ...。


 ガタン!!


「痛いですわ!!」


 いきなり頭の上に木の板が降ってくきた反動でそう叫ぶ私。


 次の瞬間にもっと重たい物が背中に降り注ぎました。


「うわぁぁ!!!」


 ドンっ!!


「ガハッ!!!」


 重さのあまりはしたない声をあげてしまう私。


「いてて...、ってエリーゼちゃん!? なんで俺の下敷きになっているんだ!?」


「...いいから降りてください!!」


 私の言葉に勇者はすぐさま降りてくれる。


「悪い悪い、ちょっとびっくりしちゃってさ」


 彼は頭をかきながらそう呟く。


(全く! びっくりしたのはそちらだけではありませんのよ!)


 プリプリしながら辺りを見回してみると、そこは階段があるだけの長い回廊でした。


 白一色の空間が広がるだけなので少々息が詰まるそうですね。


「とりあえず私達は【帝王】の罠にまんまと引っかかったみたいですわね」


「そう見たいだね」


「早くお姉様達と合流しなくては!」


 すぐさま状況を判断し、駆け出す私たちの前に赤いローブを纏った【帝王】が現れる!!


「さっそくおいでなすったぜ」


 勇者の言葉に赤ローブはいきなり炎撃の呪文を放ってくる!!


「ここは私に任せてください!! 【騎士の盾ナイト・シールド】!!」


 巨大な魔力壁が炎撃呪文を受け止めて後に勇者が攻撃を開始する!


「今度はこちらからだ! 【ブレイク・ソード】!!」


【ブレイブ・ソード】の強化版を放ち反撃する勇者。


 巨大なエネルギー波が赤ローブを襲う!!


「...!!」


 赤ローブの男はその直撃を受けて四散してしまった。


「やりましたの!?」


「...みたいだな」


 しばらく警戒を続けていましたが、やはり彼以外の気配を感じ取れなかったので勝利したのだと確信する私達でしたが...。


「拍子抜けだな、あれが【帝王】の一角なのか?」


「...そうですわよね、全員が全員強敵ではないと言うことでしょうか?」


 手応えのなさに違和感を感じながらも私達は歩みを止めないのでした。

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