第260話 夢?②

「...」


 赤い髪の少女は締め付けられている私を無言で見つめ続けていました。


(だ...誰!?)


 全く見覚えのない少女の登場に私の頭はパニックなってしまいます。


(私の夢なのに何で知らない人が出てくるの!?)


 この大きな蛇はよく魔物と戦う冒険者ならばよく一度くらい見た事のある相手ですが、と言う目立つ髪色の少女を忘れることなどあるでしょうか?。


 少女は何やら私に問いかけてきました。


「苦しいか? 助けて欲しいか?」


(...)


 偉そうな少女の問いに私は何も答えません。


 どうせこれは夢なのでここで殺されようと何も変わらないからです。


 しかし...、なぜでしょうか?。


 少女の言葉に思わず私は(助けて!)と叫んでしまいました。


 私の言葉に少女は言いました。


「良いだろう、でも助けてあげるんだから私が姉でお前が妹な!」


 少女はそう叫ぶと蛇の周りを飛び回り、炎で作り出した剣で皮膚を焦がす!。


「キシェェェェ!!」


 あまりの熱気に蛇は私を一度話し少女の方に向かっていきます!。


(あっ! 危ない!!)


 そう心配する私を見た少女は笑っていました。


「大丈夫! 私がこんな奴に遅れを取るわけないだろっ!」


 少女は両手に炎で作った双剣を持ちながら優勢に戦況を進めていきます。


 5分にも満たない戦闘で自身よりも遥かに体格の大きい相手を倒してしまうのですから、彼女のレベルは相当高いのでしょう。


 大蛇を倒した後に私の方の近づいてきて手を伸ばしてくれる彼女。


「ほらっ、立ちな、私とあんたは今日から姉妹になったんだからこれからは助け合って生きていかないとな!」


 ニカリと笑う彼女の太陽の如き眩しさに対し、私は思わず涙を流しているのでした。

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