第400話 VS傭兵団②
私の威圧に震えているのは軽口の男だけでした。
槍兵ですら武器を失った瞬間にサブウェポンの短剣を手にして私に斬りかかってきます!
2対1の状況を作り出そうとしているのでしょうけど、攻撃してくるまでのタイミングが絶望的に遅いので私の速度に対応できていません。
具体的に言えば、彼らが短剣を振り上げた瞬間にはもう私の攻撃が終わっているのです。
「うっ!」
「あっ!」
と言う言葉とともに倒れる2人の傭兵。
「なんだ!? 今何をしたんだ!?」
相変わらず軽口の男がああ言っていますが、目の前にいる剣を持った奴だけは少々手応えがありそうです。
剣を持った男は「やるな、小娘」と言いながら徐々に近づいてきました。
(こいつは他のに比べるとちょっとできるね...)
そう思いながらも私は手を抜きません。
目の前の敵が剣を振り回した瞬間に身をかがめて足に力を入れる!
「ぬっ!?」
からぶった剣を元の位置に戻す瞬間を狙い、腹に重たい一撃をおみまいした。
「ぐっ...あ...」
よろよろと後退りした数秒後、男の意識が途切れたのでしょう。
立ったまま意識を無くしている男の元に軽口の男が走ってくる。
「団長!? おい! しっかりしてくれ!」
そう叫ぶ軽口の男に私はこう言いました。
「後はあなた1人...」
「ヒィ!!」
私の瞳に映った彼の表情はとてつもなく怯えきった子供のようでした。
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