第401話 VS傭兵団③
「棄権だ!! 俺たちは棄権する!!」
大声でそう叫ぶ軽口の男の声で勝負は幕を下ろす。
彼が降参したことにより会場内は異様な熱気に染まった。
「はぁぁぁぁ!!!??? ふざけんな!!」
「固いと思ったからお前らに生活費全額投資したんだぞ!!」
「ふっ、お前達はまるでわかっていないな、大穴狙いが1番儲かるんだよ!」
などと場外で様々な声が飛び交っている様子が窺える。
勝利を収めた私達が会場を後にして次の試合を控えていると...。
「ケロナちゃん...?」
と言う声が聞こえたような気がしたので振り向いてみる。
そこには白髪の見覚えのある青年が立っていました。
「キィア?」
「やっぱりそうだ! ケロナちゃん! 生きていたんだね!」
そう言いながら私の手を取ってくる【勇者キィア】。
「良かった...、本当に良かった...、あの後仲間を連れてスラナ村に戻ったんだけど、大量の墓があるだけでマーカイルがいなかったからケロナちゃんがどうなっていたのか全く分からなかったんだ...、生きていてくれて本当に嬉しい...」
何やら1人で感動している勇者の登場には苦笑いを浮かべるしかない私なのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます