第636話 全力の打ち込み
私が刀の真名を告げると魔力が溢れ出す!
刀と体全身に溢れんばかりのオーラを纏いながらアポロに一撃を入れる!!
「ふっ...」
「くそっ!」
しかし、私の力押しの一撃の全てを彼はこれ以上にないくらい綺麗に受け流されたが、それでも迷わず刀を振るい続けた!
その一撃一撃はまるで群発地震のように小規模の揺れを観測させる。
逆に言えばそれほどの威力が乗った一撃を涼しい顔で受け流せているのが彼の技量なのだ。
並の剣なら最初の一刀で砕け散っているはずなのに、彼のレイピアは砕けるどころかひび割れ一つしていない。
(こいつのレイピアは一体何でできてるの!?)
と思わずにはいられないほどの強度を誇っている。
いくら私が力任せに彼に刀を浴びせ続けても軽く受け流せてしまえる彼の技量はまさしく神の次元にまで達していると言っても過言ではない!
「ほらっ、隙だらけだぞ」
プスッ。
「くっ!」
私の隙を見ては攻撃を浴びせられる。
一撃一撃は軽いのだが、こちらの攻撃を掻い潜りながら完璧なカウンターを狙ってくる彼との力量差は確かに感じてしまう。
一応ダメージを受けても直ぐに回復できるので問題はないが、あちらは確実にこちらを削っているのに対し、私は彼にダメージを与えられていないのが現状だ。
一撃、また一撃と傷を増やしては魔力を消耗していく私に対し、ダメージを受けていないので魔力の消耗すらない彼との間に生まれるアドバンテージの差は凄まじい物になっていく...。
「はぁ...はぁ...」
「どうした? もう息が上がったのか? ならばそろそろ【次元龍】様を出してくれないか? 前哨戦はもう充分だろう?」
「前哨戦...ねぇ...」
私はふっと笑った。
彼にとって私との戦いは前座なのだろう。
だけど...、だからこそ付け入る隙があるとすればそこなのだ!
私はフェイントをかけて彼の体ではなくレイピアに狙いを定める!!
突如として目的の変わった私の行動に彼の回避行動が遅れた!
「その剣、貰っていく!」
ザンッ!!!
確かな手応えと共に振り下ろされた一刀は、彼のレイピアを折る事に成功するのでした。
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