　私は声の下方向に視線を移すと、そこには見慣れた顔がありました。

「アポロ...！」

「ケロナ、まだこんなところで油を売っていたのか？　早く【次元龍】様（・）を集めてくれないと僕の計画が台無しになっちゃうじゃないか...、なぁ裏切り者のペリアさん？」

　彼の言葉に私の背筋が凍りつく！

(...なに！？　こいつから感じられる神々しさの質量は！？　...なにも考えるな！　これは多分【精神汚染】だ！)

　こうして面を向かっているだけだと言うのに、体の底から彼に奉仕したくなるような気分になってしまいます。

　得体の知れない気持ちを振り切って私はアポロに突貫しました！

　がむしゃらに動いていないと、彼の精神汚染にやられてしまいかねないと思った上での行動です。

　自分の中にある忠義心のような物を殺意に変えてアポロに攻撃する私！

「【女神の鎧（アイギスのよろい）】」

「ッ！！」

　アポロの体にあの時の鎧が装着される！

(あれはまずい！)

　そう思った私は近接攻撃を避けて魔法をぶっ放す！

「【ケロっとすぱ〜く☆】！」

　蒼き電撃がアポロに襲いかかるのだが...。

「ふむ、この程度か...」

　電撃が彼の体に当たるとそのまま消失してしまいました。

「なっ！！」

　驚く私に彼は言いました。

「そう言うのはいいから刀を抜いたらどうだ？　久しぶりに剣のお稽古と言う事にしよう」

　彼はそう言いながらレイピアを引き抜く。

「私の事を舐めてるな...」

「ああ、ケロナの事は舐めてるよ、僕が興味があるのは【次元龍】様の力だからね、依代がピンチになったら流石に飛び出してくるだろう？」

「ぬかせ！！　お前なんか私の力だけでどうにかして見せる！」

　私はそう言いながら刀をひき抜き真名を答えるのでした。

「【あまみん☆=バスター】！！」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい