第147話 不正者の実力?
「不正を働いていた女の実力なんてしれてるんだよな!」
そう言いながら容赦なく斧を振りかざしてくる冒険者の男。
「お前たち如きがAランク!? ふざけるな!! さっきから逃げ回っているだけじゃねぇか!」
確かに彼の言う通り、私は逃げ回っています。
というのも彼が弱すぎてどれくらい加減をすればいいのかわからないからでした。
(流石に殺しちゃうのは悪いし...、かといって攻撃を弱めすぎちゃうと一撃で倒せないし...)
というジレンマのせいでなかなか攻撃できません。
私の動きを全く捉えられていない相手の方が先に息を切らし始める。
「はぁ...はぁ...、くそちょこまか動き回りやがって!」
(ちょっと動いただけであんなに息を乱して...、こいつら本当に冒険者なのか?)
冒険者と言えばクレイトンでディール達を見ていたけれど、目の前にいる男よりかは僧侶であるマーヤですら体力があったように思えた。
それを見て考えたことを口にしてしまう私。
「それだけの実力しかないから私達を妬んだんだね...」
哀れな人でも見ているかの様な視線を送ると男がブチギレた。
「なんだと!! 不正のくせに!!」
大きく振りかぶった斧で私に一直線に向かってくる姿がもう...ね。
「隙だらけ」
私はそう呟きながら彼のお腹に蹴りの一発をお見舞いするのでした。
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