第421話 再戦【エルサ・ザナイン】!④

 私がエルサの放った【地獄の雷】を【ケロっとすぱ〜く☆】に変えた事に驚く彼女。


「何っ!? 私の雷を変化させたのか!?」


 流石の彼女も自分の攻撃を逆に利用されるとは思わなかったのだろう。


 蒼き稲妻がエルサを突き刺す!!!


 バチっ!! バチチチチチチチ!!!!


 凄まじい電撃音と共に彼女の周囲が蒼き電撃で囲まれる!


「ぐっ...!」


 苦しそうな彼女を見て【蒼】の力から【砂鉄】に切り替えて追撃する私!


(チャンスだ! ここは一気に攻める!!)


 上空に大量の【砂鉄武器】を並べて一気に降下させた!!


 その様子を技名として表現するならば、さしずめ【磁龍の舞】と言ったところだろう。


 天空から無数の武器達がエルサめがけて振り下ろされる!


 肉を割く音が何度も聞こえてきた。


 グシュ...ザシュ...。


【砂鉄武器】が赤い血に染まる中、エルサは自力で私の【磁龍の舞】から脱出してみせた。


「ぐっ...! くそっ!」


 所々怪我を負って血を流す彼女を見て私はこう告げる。


「降参しろ、【大帝】や【聖典】の事について全て喋ると言うのなら命までは取らない」


 私は交渉を試みたのだが。


「ふんっ! 私が【大帝】様を裏切ることはない!」


 と言いながら強がる彼女を取り囲む様に皆が集まってきた。


「ケロナ姉ちゃん! だいたい片付いたよ!」


「ええ、サラの言う通りです! 後はエルサを倒せばこの場は収まります!」


「...今なら倒せそうですわね、このチャンスを逃してはなりませんわ!」


「【大帝の眷属】...つまり私の敵! ホビットの里を壊された恨み! ここで晴らす!」


 仲間の魔物の大半を片付けられた上に周囲を囲まれてピンチなはずなのに、何故でしょうか?


 エルサの不気味さがより一層濃くなって行くのは...。


「...、私がここまで追いつめられたのはいつぶりだろうか...、仕方がない...ここは私の存在を持って【次元龍】を消す!」


 そう決心した彼女の【聖典】がドス黒くなりどんどん変色して行く!


「何が...起きるんだ!?」


 そう思った瞬間でした!


「エルサお姉ちゃん! ダメっ!」


 と言う声と共に彼女から【聖典】を取り上げる者が出現したのは...。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る