　突如として現れた【死神の妹】メイアによりエルサの【聖典】が彼女の手に渡る。

　玩具の兵隊にエルサの【聖典】を盗ませたのだ。

　あまりにも突然の出来事にその場にいた全員が動けないでいると...。

「メイア！！　【聖典】を返せ！　今ならまだその力で【次元龍】をケロナごと滅ぼせるんだ！！」

　そう叫ぶエルサにメイアは答える。

「渡せないよ...、エルサお姉ちゃんは分かっていない...、仮にケロナお姉ちゃんの中に居る【次元龍】を倒せたとしてもそれだけじゃ終わらないってことを...」

「何を言っているんだメイア？　頼む！　【聖典】を返して！」

　姉妹喧嘩をしている彼女達の中に割って入りたい所だがそうはさせてもらえない様だ。

　メイアの出した人形達が一斉に襲いかかってきた！

「くそっ！」

　否応なく対応させられている間にメイアとエルサのコンタクトを許してしまう。

「エルサお姉ちゃん...、一度気を取り直してよく考えて」

「黙って！　メイアに私の何が分かるの！？　あなたは私の言う事を聞いて大人しくしていればいいの！」

「分かるよ...、お姉ちゃんに課せられた重圧も責任も痛いほどよく分かる...、それもこれもメイアを守るためだったんだよね？」

「...」

「大丈夫、メイアも【大帝】様から力を与えて貰って強くなった...、もうあの頃のメイアじゃないよ...、だからね...、メイアもエルサお姉ちゃんと一緒に戦うから【聖典】の力は極力使わないで」

「メイア...」

「エルサお姉ちゃん...、今まで守ってくれてありがとう！　今からはメイアがエルサお姉ちゃんを守ってあげるね！」

　エルサとメイア。

　この2人を同時に相手どる事になるとは...。

　これは骨が折れそうだ。

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