第461話 【ガライ】の村
私とキィアが【ガライ】の地に入って最初の村で物資を補給しようとしていると...。
「んっ...?」
砂煙の先に何かの気配を感じました。
「どうしたのケロナちゃん、早く買い物を済ませようよ」
と呟く彼に私は言いました。
「キィア...、伏せて!」
「えっ...? ってうわっ!!」
私の言葉と共にしゃがんだお陰で砂煙の中から飛んできた手裏剣が刺さらずに済んだ。
「これは!? 盗賊か!?」
キィアが剣を引き抜くと周りに集まってきたのは【鷲】のシンボルが描かれたローブを纏っている暗殺者集団でした。
「チィ、殺し損ねたか...」
そう呟く彼らを見たキィアは私にこう言いました。
「ケロナちゃん下がって! あのローブに着いている【鷲】のシンボル!! こいつら【ガライ】周辺に出るって噂の【イーグル団】だ! 全員が最高峰の【暗殺者】で中には上級職の【忍者】を取得している者もいるらしい!」
何やらそう呟いて焦っているキィアを見て阿呆らしいと思う私。
「そう? もうあいつらの人数と場所の把握したんだけど、こいつら複数人相手するよりもプラル1人相手にした方がずっと手強いんだけど...」
「ケロナちゃん!? 君は何を言っているんだ!? 相手が何人いるかなんてこの砂煙じゃわかるわけ...」
「さっき手裏剣を投げた人数と散開した時の足音を聞いて予想したんだよ、確かに足並みは素人ではないけど私以下ね」
そう言いながら【砂鉄】で作ったナイフを投擲して炙り出す。
「【砂鉄水・
名前の通り千本のナイフを巧みに扱い奴らの潜んでいる場所に一斉射出すると...。
「ぐっ!」
隠れていた全員が一気に飛び出てきて私に向かってそれぞれが暗器を投擲してきました。
(予想通り10人...か)
私は投擲された全ての暗器を水の魔法で壁を作りそれらを撃ち落としてから1人1人を刀で切り裂いていきました。
剣の練習を実践でも踏んでおきたかったので、1対1の状況を作り刀の練習相手になってもらいましたが...。
ザシュ。
「ぐあっ!」
ザシュ。
「があっ!」
(...なんか手応えないな)
私は襲ってきた10人全員を斬り伏せた後に刀を振って血払いしていると物足りなさを感じていました。
「う〜ん...? なんか微妙だったな...、けどまあいいか...、ほらっ! キィア行くよ!」
「...ケロナちゃんってこんな強いのにレベル1なんだよな...? ガライの【イーグル団】を相手に1人で余裕って...」
勇者キィアはポカンと口を開けたまましばらく動けないでいるのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます