　私が作り出した水の拘束具は奴の足元に絡みつくのだが...！

(ッ！！　こいつ！！　さっきよりも力が上がってる！！)

　明らかにパワーが増しているせいで私の水を弾こうとしてくるが...！

「ミカっ！！　今だ！！」

　私の掛け声とともに腕を【硬質化】したゴーレム娘が殴りかかる！！

　動けない奴の体に重たい一撃がのしかかる！！

　ドゴン！！！　と言う肉が揺れる音とは到底思えない音が鳴り響いた！！

「ウォォォォン！！！！！」

「何っ！？」

「うるさい！！　黙ってミルシュを返せ！！」

　もう1発拳を放った次の瞬間！！

　シュルシュルシュルと奴の体の至るところから赤い触手が湧き出てきてミカの体を捕らえる！！

「うわっ！！　気持ち悪っ！！」

「ミカっ！！　お前ならそんな触手くらい簡単に引きちぎれる！！　力任せに暴れろ！！」

　私の言葉を聞いた彼女が体を動かそうと体を動かした瞬間！！！

　プスっ...。

「...はっ？」

　いきなり触手の形状が変わり、針先のような形でミカに突き刺したのだ。

「はっ！？　そんな物が【硬質化】した私に効くわけ...」

　そこまで言いかけると、彼女の声が消えてしまいました。

「ミカ...？」

　私の声にも反応を示さないミカは急にぐったりと倒れてしまう。

「ミカっ！！　どうしたんだ！？」

　(あれだけイキっていたのに簡単にやられるなよ！！)

　そう心の中で思ってしまう私。

　恐らくあの針のような触手には麻痺毒のような物が仕込まれているのだろう。

　いくら防御力が高いミカでも特殊な攻撃をされてしまってはその防御力を活かせない事もあるのだと伝えておくべきだった。

　しかし、このままではまずい！

　ミルシュに続いてミカまでも吸収されてしまっては戦闘がきつくなる事は目に見えているからだ。

　私はミカを吸収される前に近づこうとしたのだが、その瞬間に奴の体から突風が吹きあれ、私は壁際に叩きつけられてしまうのでした。

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