第326話 メイア③
「ねぇねぇ! お姉ちゃん!」
「今度はなに?」
「手を繋いで貰ってもいいかな?」
3000ゴールドの髪留めを買ってあげた後なので手を繋ぐくらいは何も問題ありません。
私が手を伸ばすとメイアは本当に嬉しそうに私の手を取りました。
「お姉ちゃんありがとう!」
「ははっ...、どういたしまして...」
(な〜にやってるんだろう私...)
せっかくの休日を見知らぬ少女に使ったばかりか、3000ゴールドの髪留めまで買わされてしまったのですから、損した気分にしかなりません。
思わずため息が出てしまいそうなほどに精神が疲弊していると...。
「ねぇ...、お姉ちゃんの名前はなんて言うの?」
そう聞かれたので驚きましたが、よく考えたら私はまだ一度も自分の名前を名乗っていませんでしたね...。
「ケロナよ」
「ケロナ...かぁ...、じゃあケロナお姉ちゃんだね!」
私の名前を知るや否やそう言い直す彼女は本当に嬉しそうでした。
しかし、そろそろ夕暮れ時になり、幼い彼女は親が心配し始める時間でしょう。
「ねぇメイア、そろそろ貴女のお家の場所を教えてくれないかな? 親御さんも心配しているだろうし...」
そう聞いた瞬間から彼女の表情が豹変し、私に向かってこう呟きました。
「
「えっ...?」
その言葉を聞いた私は思わず後退りをしてしまいましたが、その後で彼女が何故そんな事を言ったのか聞いてみる事にするのでした。
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