第36話 VS【ウルフテンペスト】
「グルゥァ!!」
口から唾液を迸らせながら私に噛みつこうとしてくるのを軽く回避する私。
「グルゥァ!?」
私の姿を見失った奴に背後から声をかけた。
「こっちだ、ウスノロ」
奴が振り向いた瞬間に顔に5発パンチを、腹に3発蹴りを入れる。
そこまでしても倒れていなかったので、いつもの魔法で決めよう。
「【ケロっとすぱいらる☆】!!」
手のひらに空気中から発生させや水が集まり、鋭い槍のように形を作りあげる。
そしてそれを思いっきり投げつけると、奴の前足に命中し前足がちぎれる。
ドバッと赤黒い血が流れ出すのを見て冷静にこう呟く私。
「知ってる? 水が勢いづくと鉄でさえ両断するって事...」
まあ、魔物が人間の言葉を理解できているとは思わないけれど、聖典に向かってその言葉を告げたのだ。
「グルゥァ!!!」
前足を失おうと風の魔法が健在なので高速移動は可能だと言わんばかりの速度を出しながら私に攻撃してくるモンスター。
哀れなモンスターの頭に手を置いて「もうお休み...」と答える。
その瞬間!! 奴の腹下から無数の【ケロっとすぱいらる☆】が出現し、奴の体液を滴らせながら絶命させていた。
いくら強化されたモンスターと言えども、無数の水の槍に体内を貫通させられては生きてはいないだろう...。
ゆっくりとまぶたを閉じる魔物を見送ると、次に聖典の方を睨みつけたのだが、いつのまにかそれは姿をくらましていた...。
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